ITパスポートとは?難易度・合格率・受験料と、12月28日からの休止・2027年度の新試験
先に結論
- IPAが実施する国家試験で、情報処理技術者試験のいちばん入り口の試験です。受けている人の4人に3人は社会人で、その8割はIT以外の会社の人です。
- 合格率は5割弱(2026年度4〜9月は48.9%)。1,000点満点で600点以上、しかも3分野それぞれ300点以上が要ります。
- 12月28日から2027年1月下旬まで試験が止まり、2027年度の春ごろから新しい試験に切り替わる予定です。いつ受けるかで、準備が変わります。
ITパスポートとは
ITパスポート試験(iパス)は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施している国家試験です。ITを仕事で使う人が、だれでも持っておきたい基礎知識を証明する試験という位置づけで、エンジニアだけの試験ではありません。
出る範囲は広く、AI・IoTなどの新しい技術、経営戦略・マーケティング・財務・法務といった会社のしくみ、セキュリティやネットワーク、プロジェクトの進め方までが入ります。IPAは、企業が社員の育成に使ったり、採用でエントリーシートに書くよう求めたりする動きが広がっていると紹介しています。
どんな人が受けているか
IPAが公表している2026年度4〜9月の結果では、受験者の4人に3人が社会人です。社会人のうちIT系の会社に勤めている人は2割で、8割はIT以外の会社の人です。2025年度の勤務先別では「金融・保険業、不動産業」がいちばん多く、仕事の内容では営業・販売がいちばん多くなっています。
| 2026年度 4〜9月 | 応募者 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 社会人 | 94,915人 | 83,680人 | 43,572人 | 52.1% |
| 学生 | 29,275人 | 26,306人 | 10,243人 | 38.9% |
| 合計 | 124,190人 | 109,986人 | 53,815人 | 48.9% |
出典:IPA「統計情報」試験結果(令和8年9月分、累計 令和8年4月〜9月)。2025年度の勤務先別・業務別は@ITの記事(IPAの発表を紹介したもの)より。
12月28日から休止。2027年度から新しい試験に
IPAは2026年11月5日に、システムの入れ替えのため2026年12月28日から試験を一時休止すると発表しました。再開は2027年1月下旬の予定で、申し込みの受付は1月中旬以降に始まる予定です。いま申し込めるのは、12月27日までの試験です。
さらに、ITパスポートは2027年度の春ごろから新しい試験制度に切り替わる予定です。出題分野が「ストラテジ・マネジメント・テクノロジ」から「ビジネス・テクノロジ・セキュリティ・倫理」に組み直され、DXの考え方、データマネジメント、AIの使い方と倫理が新しく入ります。今の試験制度は、2026年度の試験で終わる予定です。
試験の概要(受験料・形式・合格基準)
| 実施 | 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)。「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家試験 |
|---|---|
| 受け方 | CBT方式(会場のパソコンで解答)。全国47都道府県の会場で、会場ごとの日程で随時 |
| 時間・問題数 | 120分・100問 |
| 出題の形 | 四肢択一(4つの選択肢から1つ選ぶ) |
| 出題分野と問題数 | ストラテジ系 約35問 / マネジメント系 約20問 / テクノロジ系 約45問 |
| 合格基準 | 1,000点満点で、総合600点以上 かつ 3分野それぞれ300点以上 |
| 受験料(税込) | 7,500円(コンビニ払いは別に払込手数料187円) |
| 結果 | 試験が終わったその場で、点数を確認できる |
| 合格発表 | 受験した月の翌月(例:2026年9月受験 → 10月21日の正午) |
| 合格証書 | 合格発表の翌月に、簡易書留で郵送(再発行はできない) |
出典:IPA「受験要領」「受験申込手順」「試験内容・出題範囲」「合格発表」(2026年11月7日確認)。今の試験(2026年度)の内容です。
合格率と難易度
合格率は5割前後です。IPAの2025年度の発表では、応募者は30万7,266人、合格者は13万2,012人で、合格率は48.6%でした(@ITの記事より)。2026年度も4〜9月の合計で48.9%と、ほぼ同じです。
面白いのは、ITの会社に勤めている人と、そうでない人の合格率がほとんど変わらないことです。仕事でITに触れているかどうかより、試験の範囲に合わせて準備したかどうかで決まる試験だといえます。
| 社会人の内訳(2026年度4〜9月) | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| IT系の会社 | 16,976人 | 8,649人 | 50.9% |
| IT以外の会社 | 66,704人 | 34,923人 | 52.4% |
一方、学生は38.9%と社会人より低めです。大学生は46.2%、高校生は26.1%でした。経営・財務・法務といった会社のしくみの問題は、働いた経験がないと場面を思い浮かべにくいのが一因だと考えられます。
| 学生の内訳(2026年度4〜9月) | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 大学院 | 959人 | 604人 | 63.0% |
| 大学 | 14,079人 | 6,505人 | 46.2% |
| 専門学校 | 2,047人 | 636人 | 31.1% |
| 高校 | 7,877人 | 2,052人 | 26.1% |
出典:IPA「統計情報」試験結果(令和8年9月分、累計 令和8年4月〜9月)。
合格点のしくみ(600点と、分野ごとの300点)
点数は「何問正解したか」をそのまま数えるのではなく、IRT(項目応答理論)という方法で、問題ごとの難しさを踏まえて1,000点満点で出されます。100問のうち採点に使われるのは92問で、残りの8問は今後の出題のための評価用です。どれが評価用かは分かりません。
合格の条件は2つあります。
- 総合で600点以上(1,000点満点)
- ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3分野それぞれで300点以上(各1,000点満点)
つまり、総合で600点を超えていても、どれか1分野が300点に届かなければ不合格です。得意な分野で稼ぐより、苦手な分野を作らないほうが確実です。
勉強時間の目安
IPAは公式な勉強時間の目安を出していません。通信講座のユーキャンは、ITの知識がない人で180時間ほど、基礎知識がある人で100時間ほどを目安にしています。1日2時間なら、それぞれ約3か月・約1か月半です。
IPAは受験者の学習のために、出題した問題から毎年100問を公開しています(掲載は毎年4月ごろ)。いわゆる「過去問」はこの公開問題のことです。
「意味ない」と言われる理由と、取る価値がある人
「ITパスポート 意味ない」と検索する人も少なくありません。そう言われるのは、だいたい次の理由です。
- 持っていないとできない仕事があるわけではない:医師や宅建士のように、資格がないと就けない仕事ではありません。
- 入り口の試験:情報処理技術者試験の中でいちばん基礎の試験なので、エンジニアとしての腕前を示すものではありません。
- 合格率が5割前後:準備すれば受かる試験なので、持っているだけで大きく差がつくわけではありません。
それでも取る価値があるのは、仕事で必要なITの話を、ひと通り同じ言葉で理解できるようになるからです。セキュリティの事故を防ぐ基本、クラウドやAIの言葉、システムを頼むときの進め方、個人情報や著作権のルールまで、IT以外の部署の人が仕事でつまずくところがまとめて範囲に入っています。2027年度からの新しい試験では、データの扱いとAIの使い方・倫理がさらに強化されます。
| 取る価値が大きい人 | ほかを優先したほうがいい人 |
|---|---|
| 会社から取るように言われている・社内の研修や評価で使われている | エンジニアとして働いていて、基本情報技術者試験に手が届く |
| IT以外の部署で、DXやAI活用の話についていけるようになりたい | 生成AIの使い方だけを手早く押さえたい(生成AIパスポートのほうが範囲が近い) |
| 就職活動で、ITの基礎があることを示したい学生 | すでに情報系の資格や実務経験で示せるものがある |
よくある質問
ITパスポートは国家資格ですか?
はい。「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家試験で、合格すると経済産業大臣から合格証書が交付されます。
いつ受けられますか?
全国の会場で、会場ごとの日程で随時受けられます。ただし2026年12月28日から2027年1月下旬までは休止の予定で、いま予約できるのは12月27日までの試験です。
受験料はいくらですか?
7,500円(税込)です。コンビニで払う場合は、別に払込手数料187円がかかります。払った受験料は、理由にかかわらず返ってきません。
合格点は何点ですか?
1,000点満点で総合600点以上、かつストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3分野それぞれで300点以上です。
結果はいつ分かりますか?
試験が終わったその場で点数が分かります。正式な合格発表は受験した月の翌月で、たとえば2026年9月に受けた人は10月21日の正午に発表されました。
2027年度から何が変わりますか?
2027年度の春ごろから新しい試験制度に切り替わる予定で、出題分野が「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」に組み直されます。試験時間や問題数などは、まだIPAの公表資料には書かれていません。
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このページについて
試験の情報は、IPA(情報処理推進機構)の公表資料で確かめた内容を載せ、確かめた日を書いています。このサイトはIPAとは関係ありません。運営者情報
参考にした資料:ITパスポート試験「iパスとは」(IPA)、ITパスポート試験「受験要領」(IPA)、ITパスポート試験「受験申込手順」(IPA)、ITパスポート試験「試験内容・出題範囲」(IPA)、ITパスポート試験「合格発表」(IPA)、ITパスポート試験「統計情報」試験結果 令和8年9月分(IPA)、CBT方式で実施する3試験区分における2027年1月以降の実施予定について(IPA、2026年11月5日)、情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について(IPA)、「ITパスポート」は非IT企業にこそ人気(@IT、2026年6月9日。IPAの2025年度の発表を紹介)、ITパスポート試験の合格に必要な勉強時間(ユーキャン)